イベントにサークル参加したことについての雑感と思い出
2019年12月8日 閃華の刻28-年納-
にサークル参加してすぐ書いたけどなんとなくあげるのやーめた、って思ってた文章今読み返すと正直な個人的思い出記録にしては良い文章だったのであげておく。
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2019年12月8日 閃華の刻28-年納-
サークル参加してきました。
アラサーで同人活動デビュー!
イベントに参加すると決めるまでは、色々とうだうだ悩んでいました。
決めてからも悩んでいました。
でも、結果としてとても楽しかったです。
オタクではあるけれど、同人活動には縁の無い人生を送ってきました。
初めてイベントというものに行った時には20代も半ばを超えていたような……。
友人にくっついて色々見て回って
めちゃくちゃ楽しくて、めちゃくちゃ感動して帰ったのを良く覚えています。
広い広いビッグサイトにずらりと並んだ頒布物を眺めながら、こんなにたくさんの人が、好きと言う気持ちひとつで、仕事でもないのに何かを生み出しているということに、私はえらく感動したのだと思います。
その熱にあてられて、自分の本を並べることにも少し憧れを覚えて。
だけど、じゃあやってみよ!と、そんな風には思えませんでした。
同人活動は創作活動であると同時に、交流活動だと思うからです。
昔はどうだったか知りませんが、今はネットで普段から交流を持っている人たちがほとんどでしょう。お互いネットで作っているものを見合って進捗を報告したり、感想を言い合ったり、創作について語り合ったり……。
そうして、イベントで顔を合わせて本をお迎えしあったり、差し入れしたり、アフターと称して肉を食べたり……(偏見)
それは傍から見ていたらとても素敵で、楽しかったけれど、私自身がやるとなると、無理じゃないかなあと思っていました。
同じように物を書く人間に対する嫉妬。どうして今回は読んでくれなかったんだろう、嫌われたのかな、という疑心暗鬼。いつだって良い感想を書かないといけないという変な義務感。
どれもこれも身に覚えのある感情です。過去の私は、そういう思いを十分に味わってきたような気がしました。この歳になって、またそんな感情に苛まれるかもしれないと思うと、私には無理だと思いました。そんな体力も気力も無いし、やりたくもないなって。
それでも、小説は書く。
そこそこ書けている、という思いはありつつも
はたしてこれは他人から見て本当に面白いのか?という疑問はいつもあって
自分が他人からみても面白いものが書けるということを確かめたくて、ぴくしぶにあげたりしていました。
でも、自分の実力を図りたい、と言うにはあまりにおこがましい……
だって、刀剣乱舞という、最大手ジャンルで、人の目にとまりやすい環境で、なるべく傷つかない方法で試しているだけだから……臆病者です……
そういう、純粋に「好きだ」という気持ちだけでは走りきれない自分の不純さもわかっていたので、同人活動に前向きになれませんでした。
そんな時に、今回頒布した小説が、ぴくしぶで
私にしてはとても多くの、多すぎるくらいのいいねやブックマークをいただきました。
漫画にくらべて、読んでもらえないし、感想なんてこない、と言われる小説に、
たくさんの嬉しいコメントもいただくことができました。
理由は色々あると思います。
結婚っていうテーマの需要が高いとか、実写映画公開直後だったとか
そもそもぴくしぶはブックマーク数を見て読む人が多く、
雪だるま式に読者が増えて行く仕組みになっているとか。
実力以上の評価をいただいている、と思いつつも
またむくむくと、欲望がわいてきたのです。
イベントに出てみたいなあ。
何かを創るのは楽しい。
創った人から物を手渡してもらえるのは、すごく楽しい。
自分が創ったものを人に手渡すのは、もっともっと楽しいかもしれない。
何より、自分が書いたものを良いと思ってくれる人に、
直接会うことができるなんて。
もしそれを味わうチャンスがあるのだとしたら、今しかないと思いました。
大手ジャンルに身を置いていて、身に余る評価をいただいている今しかないと。
あまりに打算的で、情けない発想ですが……
でも、そう思ったらいてもたってもいられず、イベントに出る決心を固めていたのです。
それから手探りで準備を進める中で、誰もこんな本いらないんじゃないかという不安に襲われることも度々ありました。
でも、イベント参加を表明すると、そのことに対してリアクションがあったのです。
サンプルにいいねがついたり、
部数アンケートに投票があったり、
とても丁寧な感想もいただきました。
趣味で繋がった仲間のいない私にとって、ついったーやぴくしぶの告知関係は、どこかにいるのかどうかもあやしい誰かに向けた、大海に流した小瓶のようなものだったのですが、そういったリアクションたちは、確かにこの海の向こうには見てくれている人がいるという、驚きの事実を教えてくれたのです。
当日は、緊張で手が震えて準備もままならず、
いっしょに来てくれた友人に助けられてなんとか開始時刻を迎えることができました。
(ちゃっかり欲しい本も買いました……)
今日の頒布数、8冊。
自分が思っていたより、ずっと多い数字です。
1冊くださいと言われる度に、現実感が無く、ぼうっとしてしまいました。
ぼうっとしてるうちに、1日が終わったような気がします。
どうやって私のスペースにたどり着いてくださったのか知りたくて
「何か見て来てくださったんですか?」と全員に聞いてしまいました。
にこにこ応えてくださる方もいれば、何?という感じの方もいました。
当然ですよね。私もそんなの急に聞かれたらびびります。申し訳ないことをしたなと感じています。
ぴくしぶで読んですごく好きな話だったので、と言ってくださった方がいました。すでに読んだ話を紙で手に入れてくれるなんて、なんて素晴らしい人かと思いました。
通りすがりにサンプルも見ないで、ください、と言ってくださった方がいました。こっちがびびって小説ですけど大丈夫です……?と聞いてしまうほどの潔さでした。
うぐさにが好きなんですと言ってくださった方がいました。今日は私だけでごめんなという気持ちでいっぱいになりましたが、うぐさにを好む人のおめがねにかなってとても嬉しいなと思いました。
私の書いたものを、お金を出して手に入れたいと思ってくれる人が目の前にいる。
不思議でした。
ずっと不思議で、奇跡みたいに素敵な時間でした。
終わって、こうやって振り返ってみても
あの時間はなんだったのかなあと、やっぱり、どこかぼんやりとした
不思議な気持ちになります。
だけど同時に、言い知れぬ幸福感でいっぱいです。
これから先、またイベントに出るかはわかりません。
私は打算的で、不純で、自分の好きなものより自分自身を大事にしてしまう
どうしようもない人間で、
好きだという気持ちと情熱を持って、
同人活動をしている人たちのようにはなれないなって思います。
今回みたいなチャンスは、もう二度と訪れないだろうなとも。
私の本を少しでも楽しんでもらえたら本当に幸せです。
それとは関係なく、私の本を手に取ってくださった方に
良いことがたくさんあればいいなと思います。
刀剣乱舞も今まで以上に盛り上がって、
未来永劫続くコンテンツになればいいなと思います。
私は、みなさんと刀剣乱舞に、
しぬほど良い思いをさせてもらいましたから。
本当に、ありがとうございました。