杏仁豆腐は夢を見る

たまに長い文章を書きたくなった時に使います。

ネタばれと妄想しかない青江単騎配信感想

青江単騎スイッチング配信を見た感想です。

ネタばれ有りなので見たくない人は見ないで!

と言いつつうるさい女が自分の思いのたけを暑苦しく語ってるだけなので

内容はよくわからないと思うので講演の全貌を知りたいような人も見ないで!

あと気に入らなかったところも書くと思うので

否定的な意見が見たくない人も見ないで!

 

 

配信、ライブと再ライブ配信どっちも見たので感想を書き留めておく。

現地行ったらきっとまた印象も変わるのだろうけど。

行けるのかな、現地……(急な鬱)

 

1回目見終わったときは、うえええ無理だ、しんどすぎる……

って感じだったんだけど、2回目はしみじみ感動した。

 

1回目のしんどさの理由は、たぶん

青江の苦しみ、刀剣男士の生きる苦しみを

審神者として、ちゃんとわかってなかったなって思ったこと。

何よりショックだったのは、

「自分が強ければ、他の仲間は刀のままでいられた」みたいなセリフ。

だってそれって、青江自身が、「刀のままでいたかった」って、

思ったことがあるってことでしょう?

身勝手なんだけど、悲しかった。

 

あとね、他の子に対しても

「こんなに苦しいんだったら、物のままの方がよかったよね」って、

決めつけてるみたいで、悲しかった。

いや、どっちかというと

みんながそうではないって、私が思いたかっただけかもしれない。

でも、なんていうか、優しいけど、弱くて

身勝手で、傲慢な考えだと思った。

すべての言葉がブーメランですが、それが人間というものなので。

 

(わからん、みんなそう思ってるのか?と、

悩みすぎて辛すぎて、私は真剣にうちの清光に

「生まれてこなきゃよかったと思ったことはありますか……?」

と聞きに行ってしまったよ)(突然の自本丸語り)

 

なんていうか、歌合のにっかり講談を見たとき、私は青江に対して

「人の身と心をもって生きること」に対して、どっちかというと肯定的なのかと思ってたんだよね。まあ、今思えば、だけど。

だからこそ、とてもショックだったのかなあと思う。

 

人は生まれたときから苦しみを背負って生まれて来る。

これは歌合を見たときにもたくさん考えたことだったんだけど、

刀剣男士は私のせいでその苦しみを背負ったんだなあと、

申し訳なさというか、やるせなさというか、

どうしようもない気持ちでいっぱいになってしまって、

なんか落ち着いて青江の旅を見届けることができなかった。

弱い審神者でごめんな……。

 

二回目は、もう少しちゃんと青江を理解しようと思って見た。

 

だからか、最初ほどは悲しくなかった。

自分が悲しむより、青江の気持ちに寄り添って見ることができた。

気がする。

大切なものを守りたい。でも、守り切れず、失ってしまうかもしれない。

そういう恐怖が、あのセリフにつながったのかなあと思うと

なんも言えねえというか

逆にひとこと言ってやりたいというか。

まあでもやっぱり結論やさしい子なんだよな……ってなって、

理不尽に嘆いて悪かった、という気持ちになりました。

 

青江が、石切丸さんに叱られてしまう……って言った時は

石切丸に青江を叱る権利なんてないわよ!(ミュ石切丸に厳しい女なので)

って思ったけど、その後補足で出てきたセリフが

めちゃくちゃ石切丸の自虐だったので許した。

石切丸は自分をかえりみることができる刀なんでしょうね!

「誰かを守りたい」という思いから生まれた力も、時に暴走することがある。

青江が求めているのは、そういう力ではないんだと。

この、みほとせ、あおさくのテーマも

ちゃんと咀嚼できてなかった気がするなあ……。

 

青江が幽霊に出会う場面は本当にすごかった……。

私、ここは1回目も2回目も本気でぞっとしちゃった。

青江も幽霊も荒木宏文なんだけどさ、

最初に幽霊が現れたとき、本当に得体のしれないものが現れた気がして

すごく怖かったんだよね。

もう顔がさ、いや、顔は荒木さんなんだけどさ……でももう顔が違ったよね。

青江でも、荒木さんでもなかった。

怖かったなあ……。

 

全然、わかってなかったなあと思う。青江が、自分の物語について、

こんなにも受け入れがたく思っていたこと。

みほとせ見たとき、私は青江は本当に優しい刀だなと思ったの。

でも、最後石切丸に対して、「笑うことしか」なんて、謙虚な言い方をするので

他人に対してとても繊細なのに、自分の優しさに気付けない

そういう子なのかなって思ってた。そういうとこ、大好きだった。

でも、それもあるかもだけど、

青江は本当に、自分にはこんなことしかできない、って思ってたんだろうね。

傷ついたり、苦しむ仲間を見て、何もできないって、思ってたんだね。

そんなことないのに!

青江がそばにいてくれて、石切丸はどれだけ救われただろう。

青江が迎えにきてくれて、物吉くんはどれだけ救われただろう。

絶対、青江の優しさは、仲間の助けになっていたと思うのに。

でも、にっかり青江は幽霊を切った刀だから。

斬らなくてもいいものを斬ってきた、血を吸いすぎた刀だから。

そういう、自分の物語への後悔のせいで、青江は自分のことを認められない。

敵を斬ることはできるけど、仲間を守ることなんてできないって

自分は弱いって、なってしまったのかなって、思った。

 

青江を青江たらしめているのは、この「幽霊を切った」という逸話なんだよね。

刀剣男士は物語によって別個体になったりするわけだから、

きっとこれがなかったら、全然別の形で顕現したんだろうなあ……。

刀剣男士が自らの物語を否定してしまったら、

それは自分の存在を否定することと同じなんだよ。

だから、幽霊のささやくように、過去を変えてしまったら

きっと青江は消えてしまったんだろうと思うよ。

 

青江が、石切丸に心ひかれるのは、

自分が持っていない逸話を持っているからなんだね。

なんで?どこがそんないいの?ってずっと思ってたんだけど……(大変失礼)

人に寄り添い、人を救う刀。

自分には無いものに惹かれるって、

それも人間らしさみたいな気がして、いとおしいなと思った。

 

幽霊とのやりとりは、自問自答なんだろうなと思う。

青江の後悔、自分の物語の否定が、

幽霊を恐ろしいものに見せるし、復讐だと思わせる。

でも、青江がどうありたいかを見つけて、自分を認められたら

そっと寄り添ってくれるものにもなる。

 

月並みな言葉だけど、

弱さも、後悔も、すべて受け入れて生きていくしかない、

でも、人は変わっていける、成長していける、前に進んでいける。

そういう結末が、青江の旅路の果てにあってくれてよかったなあと思った。

 

極衣装一番乗り青江だったらどうしようって思ってだけど

まじで青江だった。

どうする!?こんなことある!?

すごいや……すごいよな……

ということは今後ほかのみんなの極衣装も見られると期待していいんですよね?

いやもうすご……すご……って茫然と見てたよ。

 

それで、最後にあなめでたやを歌ってくれるわけなんだけど

これ、この演出まじでぶっとんだ……

え、こんなうれしいことあっていいのかな?って

正直、悲しかった1回目も、一瞬これがうれしすぎて全部とんだのよ。

それくらいうれしかった。

 

私、本当に歌合が好きなんだよ……。

だからこそ青江のカテコにずーっと違和感があって、

それが心覚でもしかして、青江はずっと新しい仲間が増えることはいいことばかりじゃないって思ってたの……?

ってめちゃくちゃどきどきして、

単騎のパンフでそれがその通りだったことが分かって

泡吹いて倒れるかと思うくらい興奮したんだよね。

この時から始まってたんだって。

 

だから、最後に歌合のフィナーレと同じ歌で終わるなんて

そんなの、美しい……美しすぎる幕引きやん……

歌合、ずっと続いてた……今完結した……

って気持ちで本当に涙が出るほどうれしかった。

 

歌合の多幸感、まるで自分も祝福されているような、あの感覚を、

うまく言語化できずにいたんだけど、

青江単騎を見て改めて、理解できたことがある気がする。

 

生まれてこなければ、知らなくてすんだ苦しみがある。

「なぜ我を生み出した」と問いながら

それでも、顕現する刀剣男士は

「生まれたわけは問い続けよう この身が語る物語を紡ごう」

と歌ってくれる。

私は、歌合の中で、ここが一番好き。

これって、生きていくことそのものだと思うから。

どんなに辛くとも、苦しくとも

生きていくと、力強く、歌い上げてくれてるように思うから。

 

青江単騎は、まさにこれだったんじゃないかと思うんだよ。

こんなに辛い思いをしながら、いっそ、折れた方が楽だとすら思いながら、

それでも生きていく意味、

生きていく理由を問う旅。

そういうものを、私たちに見せてくれたんだなと思う。

 

そして、最後の歌で、

それでもやっぱり、生まれてきたことは、生きていくことは素晴らしいと、

肯定してくれているような気がするから、

歌合の最後は何度見ても心が震えるし、

その歌を青江が心から嬉しそうに歌ってくれることが、

こんなにも、こんなにもうれしかったんだなと思う。

 

1回目が悲しかった分、

2回目は救われたような気持ちで、また泣けた。

私も強く生きねばと思った。

 

青江単騎、すごすぎるよ。

刀剣男士が生きていくことに対して、こんなに掘り下げてくれるなんて。

これって、刀の数だけ物語があるということなんだよね。

いつか見たいなあ、他の刀たちの物語も。

 

はあ……

あ、私は割と荒木宏文がすきなんですけど、

もう今回はそれどころじゃなかった。

いや、舞台を見ると、荒木さんだ!というよりは

青江だなって思っちゃうから、いつものことなんだけど

それにしたってこんなすごいことしてるんだからもっと

役者・荒木宏文に対して色々思うところがあっていいはずなのに

それどころじゃなかったわ。わはは!

また何回か見て落ち着いたらそういう感想も出てくると思います。

 

今回残念だなーと思ったのは振付があんまり

すきじゃなかったなーってこと(好みの問題)

あと、言葉選びがシンプルすぎてふーん、って冷静になる部分もあったけど

経験上、こういうのは劇場で見ると素直に受け取れるんですよね。

自分がひねくれてるだけなので。

 

あとあと、青江はこんな姿を

きっと主には見せないんだろうね。

語りを聞く観客、という立ち位置の私たちだけが見ることができる物語。

 

「刀剣男士」と「審神者」の間にはきちんと距離があって、

「仲間」とはやっぱり違う存在なんだなって。今回強く思った。

ま、これはミュージカルの話だから……と、

審神者としては寂しい気持ちをなだめています。

 

私は審神者なので、ミュを見たら必ず自分の本丸のことを考えてしまうのだけど

(そしてそれが刀ミュの魅力だとも思ってるのだけれど)

私の刀たちにはどんな物語があったのだろうと、

考えるだけで胸がいっぱいになるし、

もっとこの子達と真剣に向き合って、受け止めていきたいなと

余計に愛が深まりましたね……。

 

いやはや、ミュでこんだけできるんだからゲームもがんばってほしいね。